| 1.乳幼児のおかあさんへ |
1)歯ブラシの選択
刷毛部は小さく短めでやや硬め(必要に応じてガーゼとの併用をする)
2)歯垢清掃のポイント
(1)歯の萠出前から母親が時々指を口に近づけ、さらに口の中へ入れる習慣を付けておく。
(2)スプーンがもてるようになったら、歯ブラシを持たせ、しゃぶる程度でもよいのでさせてみる。
(3)歯が一本でも生えてきたら、飲食後は必ずガーゼで拭き取っておく。
(4)寝かせ磨きをする。(子供の頭を膝の上におき、肘と腕で固定する)
(5)前歯は歯ブラシが歯の付け根まで到達するように、口唇を指で開いて磨く。
(6)奥歯は口角部に人差し指を挿入し、口唇を横に軽く引っ張って行う。
3)食生活の注意点
| (1) |
歯の生え始めた時からは、哺乳瓶でミルクや果汁などを飲ませて、そのまま寝かせてしまうと、唾液の分泌がなくなり口の筋肉を動かさないため、自浄作用がなくなり、虫歯になりやすい。 |
| (2) |
200ccの牛乳に約9グラム、母乳も同量の糖分があるので、母乳、牛乳といえども、虫歯になるので要注意。 |
| (3) |
母乳や牛乳を飲ませるたびに歯を磨くのが理想だが、出来ない時はその後にお茶を飲ませるだけでも予防になる。 |
| (4) |
離乳期以後は虫歯予防も重要だが、同時に口腔機能を発達させることにも気をつける。
(例えば、テレビを見ながらの食事や充分な時間をかけないと、編咀嚼、よく噛まずに丸飲み込み、食物を反すうする、いつまでも食物を口の中にためておくなどの咀嚼運動の異常、嚥下反射があらわれる)
|
|
| 2.幼児 |
1)歯ブラシの選択
乳児と同じで、刷毛部は小さく短めでやや硬め。 |
2)歯垢清掃のポイント
| (1) |
歯ブラシを食事や間食の後持たせて、習慣として口に運ばせるよう工夫する。 |
| (2) |
自分では充分に清掃できないため必ず親の点検磨きをおこなう。 |
| (3) |
水を口に含んで吐き出すことや、‘ブクブク‘と運動させる洗口の訓練をする(2歳半ごろ) |
| (4) |
寝かせ磨きのほかに立って磨くときは、保護者が子供の背面に立ち手と腹で頭を固定し、上を向かせて磨く。 |
| (5) |
力を入れすぎて、歯肉を傷つけないようにする。 |
| (6) |
ブラッシングの順序は、やりにくい上顎臼歯部からはじめ、飽きてきたころに前歯部に移る。 |
| (7) |
この時期は歯磨剤は使わなくても差し支えない。 |
| (8) |
2歳半ごろまでは、特に上顎前歯部を注意。 |
| (9) |
第二乳臼歯が生えるころには臼歯にも注意。 |
| (10) |
臼歯の隣接面や前歯でもすき間のない場合はデンタルフロスを使う。
(使い方の簡単なホルダーつきフロスがよい) |
| (11) |
5歳を過ぎると第一大臼歯が生え始めの時期なので、注意深く観察する。 |
| (12) |
第一大臼歯が生え始めたら子供にその重要性を伝えて、歯ブラシを真横から入れて磨くようにする。 |
| (13) |
生え始めは歯肉から出血しやすいので手加減する。 |
|
|
| 3.学 童 |
1)歯ブラシの選択
保護者の点検磨きも低学年には必要であるが、自分で磨くことを習慣付けるために、把柄は子供の握りやすい物で、色などは自分で選ばせるのも良い。
刷毛部は小さめで、硬さは口腔状態によって変わるが、通常こしのあるもので良い。
(高中学年では永久歯数も増してくるので、刷毛部を少し大きめに変える) |
2)歯垢清掃
| * |
小学校低学年(6〜8才頃)
| ・ |
混合歯列期に入り、口腔内が複雑な環境になるが、完全なブラッシングは不可能。保護者の点検磨き、日常の歯の観察が必要。 |
| ・ |
6才臼歯(第一大臼歯)の清掃に重点をおく。
〈噛み合わせの面〉 |
| ・ |
前歯部の歯の付け根部〈歯頸部〉、臼歯部の頬側にも歯ブラシが当てられるように注意をする。 |
|
| * |
小学校高学年(9〜11才頃)
|
| * |
中学生(12,3才頃)
| ・ |
第二大臼歯のブラッシングに気をつける。 |
| ・ |
毛先を用いたブラッシングをして清掃すると歯肉マッサージの効果も期待できるようなブラシの当て方をさせ、歯周疾患を予防する。 |
| ・ |
この年齢は反抗期になるためなかなか歯を磨こうとせず、隣接面う蝕歯が多くなるので、デンタルフロスの併用をさせる。 |
|
|
3)食生活など
| 1. |
塾通い受験勉強など室内で過ごす時間が多くなり、就眠時間も遅くなるため夜食の摂取回数が増し、永久歯がう蝕歯になるので注意する。 |
| 2. |
クラブ活動後にジュースやスポーツドリンク類を一度に大量飲むことが習慣になると、う蝕になりやすい。 |
| 3. |
間食などをだらだら食べたり、一度に沢山の量を食べないように三度の食事をきちんと摂取。
特に朝食は充分に食べるようにする。
|
|
|
| 4.成人 |
1)ブラシの選択
男女の差は多少あるが、一般的に市販されているものでよいが、刷毛部は長さが2〜3Cm、巾は8〜10mm程度、コシがあり衛生面からも毛束が粗のものを選ぶ。
自然毛(ブタ、タヌキなど)を用いたものより、人工毛(合成繊維など)の方が耐久性、吸水性の上からも適している。
把柄部〔柄の部分のこと〕は握ってみて、フイットしていれば良い。
補助清掃器具として、デンタルフロスや歯間ブラシ類あるいは電動ブラシの併用も奨められる。 |
2)歯口清掃
青年期 (20〜30才頃)
| ・ |
歯肉炎から歯周炎への移行に注意。 |
| ・ |
歯頸部のう蝕が始まる時期なので,横磨きを避け描円法などにする。 |
|
中壮年期(35〜60才頃)
| ・ |
歯周病の進行期であるため、歯根露出がおこり、歯頸部う蝕が目立ってくるので、歯ブラシの当て方と動かし方に注意。 |
| ・ |
歯周病やう蝕歯による喪失歯の増大で補綴歯数が多くなり、汚れやすい口腔内を清潔に保ように心がける。 |
| ・ |
口臭が出始めるので、内科的疾患の有無と一日4〜6回の歯磨きをしたり、補助的に口腔リンス剤を併用する。 |
| ・ |
口臭の原因となる補綴装置を撤去し新製する又義歯を新しくする。 |
| ・ |
タバコは口臭の原因でもあるが、ニコチンが歯肉に付着すると血管が収縮して血行障害がおき、歯周病をおこしやすい。 |
|
歯周病疾患のための歯口清掃
| ・ |
歯周ポケットが深い方や慢性的に炎症がしばしばおこる場合は歯肉に無理な力が加わらなく、ポケット内にスムースに毛先が入り、汚れが落ちやすい歯ブラシ(例えばモアクリーンやシステマブラシなど)を使用して頂く。 |
| ・ |
歯間ブラシを使用するとき、歯磨剤の代わりに歯肉マッサージ剤(デントヘルス、ペリオメデイカなど)を使用して頂く。 |
| ・ |
歯周病菌の繁殖を抑えるためにデンタルリンス剤(コンクール、リステリンなど)の使用もお奨めする。〈就眠まえ〉 |
| ・ |
上手に磨けない方には電動ハブラシの使用もお奨めする。 |
|
|
|
| 5.老年期 |
| ・ |
残存歯のブラッシングに重点をおき,隣接面
歯頸部は縦横磨きの併用で一歯ずつ丁寧に磨いて頂く、歯間ブラシの使用を奨めたい。 |
| ・ |
義歯を装着している場合は、バネ〔鈎〕の掛かっている歯は、特に食渣が溜まりやすく
う蝕になりやすいので、良く磨く。 |
| ・ |
義歯の清掃は義歯用歯ブラシなどを用いて鈎や床面を清掃する。 |
| ・ |
義歯を歯磨剤で強く磨くと、磨剤の中の粒子で義歯を傷つけるので、義歯専用の歯磨剤(コレクトピア)などで、描円法を主に磨いてもらう。 |
| ・ |
義歯を装着したまま、不十分な清掃で生活しているとカンジダ症(口の中のカビの異常増殖、歯科医院での診断、処置、投薬にて改善します。)になる。 |
| ・ |
孤立歯は歯ブラシでも磨きにくいので、ガーゼをフロスシルクの様に指に巻いて汚れを落とす。 |
|
|