シミの治療について

トレチノイン

◎ 取れるシミ 老人性色素斑(日光黒子)
雀卵斑(そばかす)
炎症後色素沈着
△ 効果が不安定なシミ 肝斑
扁平母斑(カフェ・オレ斑、茶アザ)
× 取れないシミ 後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
※ 比較的浅いメラニンが取れて、薄くなることはあります。

あなたは、トレチノインって知ってますか?
知りませんよね。
でも大丈夫。
ほとんどの方は知りません。
では、レチノールなら知ってますか?
そうです。
美白やアンチエイジング目的の化粧品に入っているビタミンAの仲間です。
シミや小じわに対して使われています。
トレチノインは別名レチノイン酸と言います。
え?なんかレチノールと似ている?
鋭い!!
そうです、レチノイン酸(トレチノイン)とレチノールは同じビタミンAの仲間なんです。
では、本格的にトレチノインの説明をします。

トレチノイン(オールトランスレチノイン酸)とは、ビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの約50-100倍であり、ビタミンA類の体内での生理活性の本体そのものです。このレチノイン酸は、誰でも血液中にごく微量流れているものですから、抗原抗体反応を起こしたり、アレルギー反応を起こすことはありません。
トレチノインは米国ではニキビ、シミ、小じわの治療医薬品として、FDA(日本の厚労省に当たるところ)に認可されており、非常に多くの患者の皆様に皮膚の若返り薬として使用されています。アメリカでは、ニキビ治療の第一選択薬になっているほどです。
日本では認可されておりませんが、私たちのところでは米国の製品にさらに改良を加えたものを処方しております。

(注)レチノールやレチニールエステル配合のクリームが市販されておりますが、レチノールやレチニールエステルは、外用ではレチノイン酸の約100分の1の生理作用しかないため、実際には、保湿クリーム+αという位置付けになります。

トレチノインの皮膚に対する作用

  1. 角質をはがします(毛穴を詰まりにくくして、ニキビに効果的、角層のメラニンをはがすのでシミに効果的)。
  2. 表皮の細胞をどんどん分裂させ、皮膚の再生を促します(シミの成分であるメラニンを皮膚の深いところから浅いところに排出しますので、シミに効果的)。
  3. 皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑えます(毛穴に皮脂が溜まりにくくなりますので、ニキビに効果的)。
  4. 真皮でもコラーゲンの分泌を高め、長期的には皮膚の張り、小じわの改善をもたらします(凹んだニキビ痕・小ジワ・毛穴の開きに効果的)。
  5. 表皮内でのヒアルロン酸などの粘液性物質の分泌を高め、皮膚をみずみずしくします(小ジワやキメの改善に効果的)。

主な副作用

1. 赤み・皮むけ・刺激感
治療3日後(遅くて1週間後)より、皮膚が赤くなったり、ヒリヒリしたり、ポロポロと皮膚がむけてきます(※塗ってない部位にも症状が出ることがあります。特に目尻、口角等)。
ただし、これは、薬が効いていることの目安でもあります。1日2回塗るところを、まずは1日1回夜のみに回数を減らし、様子を見てください。
それでもどんどんひどくなるなら中止し、受診してください。あまりにも痛みが強く塗布継続困難な場合、即中止し、受診してください。
逆に、1週間しても全然皮膚炎が起こらない場合は、トレチノインの濃度が低いので、濃度を上げます。
さらに1週間経過しても反応が出ない場合は、トレチノインに反応しない体質です。
残念ながら、トレチノインによる治療を中止しましょう。
2. 炎症後色素沈着(赤みの後に起こることがあります)
シミでご使用の方は、治療効果を上げるためと炎症後色素沈着予防のため、ハイドロキノンを併用していただきます。
ハイドロキノンでかぶれる方は、トレチノインによる治療を中止しないといけません(毛染めでかぶれる方は、ハイドロキノンでかぶれる可能性が高くなります。毛染めでかぶれないからといって、ハイドロキノンでかぶれないという意味ではありません)。
UVケアを十分に行ってください。刺激の少ないものがよいでしょう。

(重要!!)トレチノイン治療中は必ず医師の指示どおりに通院して(通常は月に最低2回)診察を受けてください。
“薬さえもらえば自宅で簡単に塗るだけで治る”治療ではありません。

これから赤ちゃんを作る予定のある方へ

レチノイン酸の内服で、催奇形性の報告があります。
外用については、アメリカでは心配ないと結論が出ておりますが、日本人はアメリカ人と比べ、副作用が出やすいです。
私たちのところでは、念のため、きちんと避妊を行っていただきます(中止後1ヶ月まで)。

トレチノインの保存について

不安定な物質のため、必ず冷蔵庫に保存してください。
基本的には1ヶ月程度しかもたないお薬とお考えください。

まとめ

どうですか?
赤みが出るとか、皮がむけるとか言われると、ちょっとひいてしまいますよね。
ほとんどの場合、メイクで隠せる程度ですので、ご安心を。
ガーゼや絆創膏で覆うのがいやなあなたは、ぜひ、ご検討ください。

このページにつきましては、東京大学医学部美容外科の吉村浩太郎先生のホームページより転載(一部改変)致しました。吉村先生に感謝いたします。

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