ホクロの治療について

メスでの切除

切除縫合

部位にもよりますが、直径6mmを超えるものについては、切除縫合のほうが、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)やくり抜き法よりもきれいになることが多いです。

ホクロの周囲を紡錘形に切除します。
縫合すると直線の傷になります。

ホクロの切除縫合
直線の傷は目立たなくはなりますが、必ず残ります。
直線の方向と、顔面にできるしわの方向が一致していれば、目立たない、きれいな傷跡になります。
鼻唇溝(ほうれい線、小鼻の横から口角までにあるシワ)や、前額部には、よい適応になります。

縫合するときに、傷の中央と傷の両端では、幅の広さが違います。
中央をきっちりと縫い寄せると、両端の皮膚がたるみ、隆起することがあります。
これを、dog earといいます。
ほとんどの場合は、自然に消えますが、まれに残ることがあります。

皮膚科や形成外科の傷跡が他科での手術の傷跡よりきれいのは、真皮縫合という手技を用いているからです。
皮膚の表面を縫う前に、一層深いところを、まず縫い合わせます。
この時点で、表面を縫う必要がないくらい、ピタッと傷は合わさっているので、他科の手術の傷跡よりきれいになるのです。
手術後、数ヶ月から数年して、真皮縫合の糸が皮膚表面に出てくることがあります。
眼瞼・手掌(手のひら)・足底・指等には、真皮縫合を行いません。

抜糸まで、基本的には1週間です。
顔面は、4,5日で抜糸できることもあります。
手足・四肢は、2週間後に抜糸します。

欠点は、抜糸する(正確には抜糸翌日)まで、水に濡らすことができないのです。

くり抜き法

直径6mmまでの小さいホクロ・皮膚に元々できるシワの方向が一方向のみではない部位にあるホクロ・縫合しないほうがよい部位にあるホクロに適しております。

傷跡は、赤み・シミ・凹み・隆起があります。
赤み、シミは一時的なもので、顔だとすると基本的には3~6ヶ月で自然に消えます。
ホクロの大きさが大きいほど、凹みができる可能性が高くなります。
元のホクロよりは小さい大きさで少し凹む程度です。
隆起ができると治りにくいので、予防的処置が必要になる場合があります。

CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)と、傷跡のでき方はよく似ているのですが、同じ深さまで削った場合、CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)とくり抜き法で、どちらのほうが傷跡がきれいになるでしょうか?



正解は、くり抜き法です。
浅く削るレベルなら、同等ですが、深いとくり抜き法だと思います。
レーザーは、熱を発生するので、皮膚の組織がやけどするのです。
深いところまでやけどしたら痕が残ります。
くり抜き法は、切るだけですが、レーザーは、切る+焼くです。
世間でのイメージとギャップがあるのです。

くり抜かれた部位が上皮化(皮膚がきちんと張ること)するまで、通常2週間ですが、大きくなると3週間はかかります。
出血していなければ、翌日から、洗顔や洗髪が可能です。
自宅での処置は楽です。

まとめますと、大きなホクロ(直径6mm以上)のものは、塗ってできた傷の方向が皮膚にある自然なシワの方向と一致しているなら、切除・縫合がよいでしょう。
シワと傷の方向が一致しなかったり、縫わないほうがよい部位なら、くり抜き法がよいでしょう。

再発覚悟で、ひたすら傷跡のきれいさを追求するなら、CO2レーザー(炭酸ガス)レーザーでしょう。

隆起していなくて、非常に小さいホクロであれば、レーザーやくり抜き法がよいでしょう。


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